VFX の仕事を11年やっているので、どんな映像でも私が最初に見るのは水です。先行版に誰よりも長く触れている TGG は、GTA 6 の物理を業界でもっとも作り込まれたものだと言い切りました。その根拠が意外です。水上機の、ほんの数秒。
機体が水面に止まっている間、プロペラは水しぶきを横へ飛ばします。あらかじめ用意された水柱ではなく、気流に押された向きへ飛んでいく粒です。通常の速度では、そもそも見えません。
なぜこれが効くのか。爆発はごまかしやすく、まさに私の仕事がそれです。パーティクルを出して音を付ければ、破片を検算する人はいません。水しぶきはそれを許しません。水は空気に反応しなければならず、粒はその力を受け継がなければならず、機体が傾いてもどれも崩れてはいけない。ゲーム内の水がまじめに計算されていて初めて成立します。そして何より、この映像は編集なしの実機です。画面に出ているものが、PS5 上でエンジンがやっていることそのものです。
ひとつ但し書きを。「業界でもっとも作り込まれた」は一人の意見です。ただし水しぶきのほうは、自分の目で見返せます。私は5回見返しました。
