Kingdom Come: Deliverance を作ったチェコのチーム、Warhorse Studios の共同創業者 Martin Klíma は、GTA 6(グラセフ6)に大ヒットしてほしいと思っています。ただし、自分で遊ぶつもりはありません。PC Gamer のインタビュー(10月2日に Kotaku が取り上げました)で、Rockstar の新作が業界全体を値上げの方向へ動かしてくれることを望むと話しています。「hopefully, GTA will blaze the trail, and it will allow us to increase the cost」、つまり「GTA が道を切り開いて、私たちも値段を上げられるようになってほしい」。この発言は Klíma のもので、Warhorse のもう1人の共同創業者でクリエイティブディレクターの Daniel Vávra のものではありません。
Klíma の発言
Klíma はシリーズのファンではなく、それを隠してもいません。GTA がなぜこれほど人気なのかについては、「beats me」「it’s something which I just fail to understand」と話しています(「さっぱり分からない」「どうしても理解できない」)。つまり、話しているのはファンではなく作り手で、主張は3つあります。
- ゲーム作りはかつてなく金がかかるのに、ユーザー数は伸びなくなった
- 稼ぐための別の方法は使い尽くされた。本人の言葉では「We destroyed retail, and we took all their money」(「我々は小売を潰し、その金をすべて奪った」)
- 残るレバーは、ゲーム自体の価格だけ。「The last thing you can do is to increase the unit price. That would help a lot, but everybody’s scared to death about it」(「最後に残る手は単価を上げること。大いに助けになるが、みんな死ぬほど怖がっている」)
値上げは遅すぎるくらいで、「necessary for this business to survive」(「この業界が生き残るために必要」)だと言っています。そして最初に踏み出してくれると頼みにしているのが GTA 6 で、価格はスタンダード版79.99ドル、Ultimate 版99.99ドルです(価格とエディションはすべてエディションのページにあります)。
値札はどう動いてきたか
Klíma が望む値上げは、ゆっくりとですが、もう始まっています。アメリカでのスタンダード版の価格です。
| ゲーム | 年 | スタンダード版(アメリカ) |
|---|---|---|
| GTA V | 2013 | 59.99ドル |
| Sony の PS5 ローンチタイトル | 2020 | 69.99ドル |
| Kingdom Come: Deliverance II | 2025 | PC は59.99ドル、PS5 と Xbox は69.99ドル |
| Mario Kart World | 2025 | 79.99ドル |
| GTA 6 | 2026 | 79.99ドル |
Warhorse の行を見てください。去年の自社の大作は、Klíma がいま業界に望む値段より安かったのです。皮肉だとは受け取っていません。値上げを1社だけでやりたいスタジオはなく、反発を引き受けてくれる大手が先に動くのを待っている、ということでしょう。
半分しか賛成できない理由
コスト側の話は、自分でも嫌になるほどよく分かります。テクニカルアーティストとして、お金がどこへ消えるかが見えるからです。Rockstar のフレームに映る棚の瓶は、1本ずつモデリングされ、テクスチャを貼られ、ライティングされ、2種類の本体でテストされています。コストが増えるのは画面の細かさに応じてであって、箱の値段に応じてではありません。しかも値段は Xbox 360 の時代からほとんど動かず、ほかのすべてが上がりました。この点で Klíma は正しい。
でも、GTA 6 の80ドルと、ふつうのゲームの80ドルは、別の話です。GTA 6 は、アナリストが10億ドル超と見積もる予算のゲームで(見積もりは開発費の内訳にあります)、何年も暮らすことになるマップがあり、その上に GTA 6 オンラインも載ります。GTA だから、人はその値段を払います。同じ値段を20時間のアクションゲームに付ければ、買う側はセールを待つだけです。GTA が道をならすのは確かでしょう。ほかの誰かがあとに続けるかどうかは、別の問題です。
この話で好きなのは、正直さです。GTA がなぜ愛されるのか分からない開発者が、自分のスタジオの先行きがかかっているから、それでも猛烈に売れてほしいと願っている。11月19日には大勢が GTA 6 の「購入」を押し、それを見ている人たちのなかには、ほかのスタジオもいるはずです。
よくある質問
Warhorse は GTA 6 について何と言いましたか?
Warhorse の共同創業者 Martin Klíma は PC Gamer に、GTA 6 がヒットして、ゲームの値上げへの道を切り開く(「blaze the trail」)ことを望むと話しました。値上げは業界が生き残るために必要だとも言っています。自分は GTA のファンではなく、遊ぶつもりもないとのことです。
GTA 6 がゲームの値上げにつながると言ったのは誰ですか?
Kingdom Come: Deliverance の開発元 Warhorse Studios の共同創業者、Martin Klíma です。同スタジオのもう1人の共同創業者、Daniel Vávra の発言ではありません。
GTA 6 はいくらですか?
アメリカではスタンダード版が79.99ドル、Ultimate 版が99.99ドルです。ヨーロッパでは79.99ユーロと99.99ユーロです。
